【#75】野生化するイノベーション

【#75】
野生化するイノベーション:日本経済「失われた20年」を超える
清水 洋

「イノベーション」という単語に対して「野生化」というメタファーがおもしろいと感じて手に取りました。イノベーションの意義やもたらす効果を俯瞰的に見ており、とてもおもしろかったです。もちろんHow-to的な内容ではありません。

イノベーションを飼いならそうとするのではなく、イノベーションがもたらす正の効果についてはその意義を認め、負の側面にも相応の手当てをしていく、ということかと思います。

人事的な目線で、最も頷いた箇所は以下の部分です。

トップ・マネジメントが考えなければならないのは、優秀な人材が流出しないようにすることや囲い込むことではなく、彼・彼女らに選ばれるような魅力的な組織づくりです。

以下は読み返す時用のメモです。


P.107
歴史的に振り返ると、そもそもイノベーションは極めて野性的な存在だったのです。

P.117
マネジメントとセレンディピティと不確実性

P.118
イノベーションっぽいもの探し

P.140
日本では1990年代に入ると、労働の投入量、資本の投入量、TFPのいずれもが減少

P.157
日本は「自分は創造的である」と答える人が最も少ないが、世界からは「最も創造的である」と評価されている。

P.162
日本人自身が性来的に集団主義的な特質を持っているわけではなく、日本企業で働いている人はその制度に促されて集団主義的に振る舞っているということ。

P.174
加齢とともに、日本企業は収益性が低下し、アメリカ企業は効率性が低下する

P.184
日本では大企業のコア人材の流動性が極端に低い

P.198
「手近な果実」問題

P.202
イノベーションのコストの多くを企業が負担してきた日本で、イノベーションの野生化が進んでしまうと、(中略)企業はせっせと手近な果実だけをもぎ始める一方、かわりに基礎研究を行う組織はないという事態になるはずです。

P.211
格差の拡大の原因のひとつ(しかもかなり重大な原因)は、イノベーションにありそうだ

P.212
野生化のジレンマ

P.225
ヒト・モノ・カネといった経営資源の流動性が上がっていくと、イノベーションの破壊的な側面が強くなる(野生化が進む)

望むと望まざるとにかかわらず、イノベーションはますます野生化していくことを覚悟しなければならない

P.227
経営資源の流動化を進めつつ、それが伴う破壊にも手当てをしていくこと

P.231
トップ・マネジメントが考えなければならないのは、優秀な人材が流出しないようにすることや囲い込むことではなく、彼・彼女らに選ばれるような魅力的な組織づくりです。

P.233
野生化が進むと、破壊的なイノベーションも多くなります。今働いている組織の強みが陳腐化する可能性も高くなります。その組織のその事業でしか価値が出ないようなスキルだけを積み上げていくのは、非常にリスクの高い選択肢になります。


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